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揺れる恋 めぐる愛
第9章 束縛と自由
二人で分け合っていた温もりに未練を感じながら
蕩けるような心地で薄目を開ける。
目前に見えた愛おしく思う男(ひと)のその背中に焦点を合わせ……
思わず息を飲んだ。
どうしてだろうか?あまりにも寂しいように感じられて、
素直に手を伸ばすことができなかった。
お互いの距離がぐっと縮まったように思ったのに……
先程までのあの優しさは欠片も見て取れない。
後姿に寒々しささえ感じられた。
感じる違和感をどうしても受け入れられなくて、
泣きそうになった。
時にその場にそぐわない何かを感じ取ってしまう自分に辟易する。
それが当たるときもあれば……
彼はそのまままっすぐ歩いて引き戸を開け、出ていこうとする。
生暖かい空気が鼻を突き、自分の感じたものを否定したくて……
「ねえ……」
と背を見せる彼の方に顔を向け声をかけたが……
掠れてうまく言葉が出ない。
「……」
立ち止まりはしたが、それでもこちらに振り向くこともなく……
しばらくの無言。
そして全裸でより一層背中を丸めながら俯いて
ぽつりと呟くように吐き出した。
「ほんとうに……
ほんとうに俺でいいのか?」
背中がこの上もないほど切なく感じられる。
あんなに情熱的な夜を過ごした朝。
感じてしまった予感が当たり、自分の全てが打ち砕かれたようで、
一瞬にして訳がわからなくなった。
蕩けるような心地で薄目を開ける。
目前に見えた愛おしく思う男(ひと)のその背中に焦点を合わせ……
思わず息を飲んだ。
どうしてだろうか?あまりにも寂しいように感じられて、
素直に手を伸ばすことができなかった。
お互いの距離がぐっと縮まったように思ったのに……
先程までのあの優しさは欠片も見て取れない。
後姿に寒々しささえ感じられた。
感じる違和感をどうしても受け入れられなくて、
泣きそうになった。
時にその場にそぐわない何かを感じ取ってしまう自分に辟易する。
それが当たるときもあれば……
彼はそのまままっすぐ歩いて引き戸を開け、出ていこうとする。
生暖かい空気が鼻を突き、自分の感じたものを否定したくて……
「ねえ……」
と背を見せる彼の方に顔を向け声をかけたが……
掠れてうまく言葉が出ない。
「……」
立ち止まりはしたが、それでもこちらに振り向くこともなく……
しばらくの無言。
そして全裸でより一層背中を丸めながら俯いて
ぽつりと呟くように吐き出した。
「ほんとうに……
ほんとうに俺でいいのか?」
背中がこの上もないほど切なく感じられる。
あんなに情熱的な夜を過ごした朝。
感じてしまった予感が当たり、自分の全てが打ち砕かれたようで、
一瞬にして訳がわからなくなった。