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揺れる恋 めぐる愛
第9章 束縛と自由
「この前昇進した時、呼び出されたから何事かと思って社長室に出向いたら
『お前は妾腹の子だが、這い上がってくれば子会社くらいはやる。
遊ぶのは一向に構わないが、そろそろ身辺整理をしろ。
もうじき俺の選んだ女と結婚する約束だろう?』
と言いやがった。
一生共にする相手位自分で選ぼうと思っている。
何もかもやつの思うとおりにはいかない。
……絶対に出し抜いてやる」
その瞳の色に……
私は怯えた。
目の前の私を見ていない。
こんなに近くにいても……
彼は遠かった。
肩をすくめる私を見て、彼にやさしく抱き寄せられた。
「怯えさせてすまない。お前をあんなヤツとのいざこざに
巻き込みたくないだけなんだ」
私はただうなずいた。
それから私を強く抱きしめて、服従しろと言わんばかりにくちづけた。
逆らう気力もなくて素直にそれに従う。
「……お前がいてくれて本当によかった」
彼は、それだけ言い残して部屋を再び出て行ってしまった。
一人取り残される私。
私を包んでくれている甘い空気は……
ある。
でも確かに感じとることのできる底知れない不安。
突然の訪問。突然の宣告。突然の関係。そして突然の告白……
やっと先輩との関係を乗り越えて彼と寄り添うと覚悟を決めたのに……
それなのに、この得体のしれない気持ちに襲われるのは、なぜだろうか?
『お前は妾腹の子だが、這い上がってくれば子会社くらいはやる。
遊ぶのは一向に構わないが、そろそろ身辺整理をしろ。
もうじき俺の選んだ女と結婚する約束だろう?』
と言いやがった。
一生共にする相手位自分で選ぼうと思っている。
何もかもやつの思うとおりにはいかない。
……絶対に出し抜いてやる」
その瞳の色に……
私は怯えた。
目の前の私を見ていない。
こんなに近くにいても……
彼は遠かった。
肩をすくめる私を見て、彼にやさしく抱き寄せられた。
「怯えさせてすまない。お前をあんなヤツとのいざこざに
巻き込みたくないだけなんだ」
私はただうなずいた。
それから私を強く抱きしめて、服従しろと言わんばかりにくちづけた。
逆らう気力もなくて素直にそれに従う。
「……お前がいてくれて本当によかった」
彼は、それだけ言い残して部屋を再び出て行ってしまった。
一人取り残される私。
私を包んでくれている甘い空気は……
ある。
でも確かに感じとることのできる底知れない不安。
突然の訪問。突然の宣告。突然の関係。そして突然の告白……
やっと先輩との関係を乗り越えて彼と寄り添うと覚悟を決めたのに……
それなのに、この得体のしれない気持ちに襲われるのは、なぜだろうか?