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揺れる恋 めぐる愛
第9章 束縛と自由
私は、それが欲しいと思って手を伸ばした。
ソコに動くことなく私に掴まれるのを待つだけの男なんて……
面白くもなんともない。
彼は朝食の食材なんかじゃない。
自分自身で選んだなら、あとはどうなろうと突き進むしかない……
そう自分に言い聞かせた。
まずはこの生活に慣れ、安定させよう。
そして彼が私をどうしたいのか?どうしようとしているのか……
ソーセージのラップを丁寧に取りさる。
シャワーの音はいつの間にか消え、扉が開く音が聞こえてきた……
立ち上がり、冷蔵庫の扉を閉めると視界の奥にドアを半分開いて、
彼が手を伸ばしてタオルを掴む姿が飛び込んでくる。
私は引き寄せられるように歩み出し、
その手が届く前にタオルを掴んで彼に渡した。
「ありがとう……」
「どういたしまして」
彼の逞しい腕にドキリ心臓が跳ねた。昨晩あの腕に抱かれたんだ……
心に浮かぶ揺らぎを隠し踵を返して元いた場所に戻り
動揺の根源に背を向ける。少し声のトーンを上げ
「何か食べますよね?」
「ああ……」
身じろぎと同時に扉が閉まる音がして、
彼の気配を遠いけど確かに同じ空間で感じながら事もなげに会話を続ける。
「好き嫌いはありますか?」
「いや……」
「飲み物はコーヒー?それとも……」
「ああ、コーヒーでいい」
「わかりました。じゃ、あるもので適当につくりますね……」
ソコに動くことなく私に掴まれるのを待つだけの男なんて……
面白くもなんともない。
彼は朝食の食材なんかじゃない。
自分自身で選んだなら、あとはどうなろうと突き進むしかない……
そう自分に言い聞かせた。
まずはこの生活に慣れ、安定させよう。
そして彼が私をどうしたいのか?どうしようとしているのか……
ソーセージのラップを丁寧に取りさる。
シャワーの音はいつの間にか消え、扉が開く音が聞こえてきた……
立ち上がり、冷蔵庫の扉を閉めると視界の奥にドアを半分開いて、
彼が手を伸ばしてタオルを掴む姿が飛び込んでくる。
私は引き寄せられるように歩み出し、
その手が届く前にタオルを掴んで彼に渡した。
「ありがとう……」
「どういたしまして」
彼の逞しい腕にドキリ心臓が跳ねた。昨晩あの腕に抱かれたんだ……
心に浮かぶ揺らぎを隠し踵を返して元いた場所に戻り
動揺の根源に背を向ける。少し声のトーンを上げ
「何か食べますよね?」
「ああ……」
身じろぎと同時に扉が閉まる音がして、
彼の気配を遠いけど確かに同じ空間で感じながら事もなげに会話を続ける。
「好き嫌いはありますか?」
「いや……」
「飲み物はコーヒー?それとも……」
「ああ、コーヒーでいい」
「わかりました。じゃ、あるもので適当につくりますね……」