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揺れる恋 めぐる愛
第10章 懐疑と盲信
「美咲。美咲だけじゃないよ。
私も去年の秋、プロポーズされたんだけど、
お互いの気持ちがうまく噛み合わなくってね。
拒絶しちゃったの。その後彼氏が突然いなくなって…
それきりどこにいるのかの消息も全くつかめなくなって…
そうね、私もやっぱり捨てられたのかなぁ」
少しふさがっていたように勘違いしていた傷が、
再び開いたような気がした。
それから気持ちの沈んだ私達二人は、
運ばれてきたメインをただ黙って食べた。
目の前の皿の上に並ぶ魚料理は見た目もカラフルで、
これが安価な割に美味しいと噂のランチだった。
でもそんな話をした後では、味はもうどうでもいいことだった。
各々がフォークを手に黙々と口に入れる。
「美咲も大変だったんだね…」
私がしみじみと言うと
「…それはお互い様だと思うよ」
と返してくれた。
「そうなのかなあ…」
感慨深げに応えると
「聞いてくれてありがとう」
さっきより言葉が明るかった。
「私もあの話を他人にしたのは初めてかもしれない…」
私にとって真帆はあの時は他人じゃないと思っていたのか…
彼女の顔が目を閉じると瞼に浮かんだ。
目を開けると私の言葉に美咲が一瞬だけはにかんだ。
それから小さな器にケーキが小さく切り分けられた
2種類のミニデザートと飲み物が出てきておしまいになる。
私も去年の秋、プロポーズされたんだけど、
お互いの気持ちがうまく噛み合わなくってね。
拒絶しちゃったの。その後彼氏が突然いなくなって…
それきりどこにいるのかの消息も全くつかめなくなって…
そうね、私もやっぱり捨てられたのかなぁ」
少しふさがっていたように勘違いしていた傷が、
再び開いたような気がした。
それから気持ちの沈んだ私達二人は、
運ばれてきたメインをただ黙って食べた。
目の前の皿の上に並ぶ魚料理は見た目もカラフルで、
これが安価な割に美味しいと噂のランチだった。
でもそんな話をした後では、味はもうどうでもいいことだった。
各々がフォークを手に黙々と口に入れる。
「美咲も大変だったんだね…」
私がしみじみと言うと
「…それはお互い様だと思うよ」
と返してくれた。
「そうなのかなあ…」
感慨深げに応えると
「聞いてくれてありがとう」
さっきより言葉が明るかった。
「私もあの話を他人にしたのは初めてかもしれない…」
私にとって真帆はあの時は他人じゃないと思っていたのか…
彼女の顔が目を閉じると瞼に浮かんだ。
目を開けると私の言葉に美咲が一瞬だけはにかんだ。
それから小さな器にケーキが小さく切り分けられた
2種類のミニデザートと飲み物が出てきておしまいになる。