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揺れる恋 めぐる愛
第10章 懐疑と盲信
「待って、美咲」

「?」

「これから何か予定あるの?」

美咲は私の言葉に紙と鞄を持ったまま私の方に振り返り…

見るからに力なくうなだれた。

「特には…

ただ部屋に帰るだけだよ」

「じゃ…」

その後言葉がすぐには出ない。それでも美咲は振り向いたままだった。

「…うちにくる?それともそっちに行っていい?」

全く私らしくない。

基本女友達とは距離を取って付き合うはずなのに自分から踏み込むなんて…

でも今日はもう彼も来ないし、

このまま一人になるのが寂しいのかもしれない。

「野乃花はどっちがいい?私の所は大丈夫だよ」

「じゃー、私が誘ったから、うちでもいい?」

「ほんとにいいの?」

「美咲の家にはまた今度。

これから買い出しして、夕飯一緒に食べない?

このまま行ける?」

「うん。どうせ一人だし。

今住んでいる部屋、今月で契約期間がやっと更新になるから

引っ越せるんだ。

お金も大変だったけどこれで楽になれる。

それに色々考えちゃうから本当はあまり帰りたくないんだよね実は…

じゃ払ってくるね」

美咲は美咲の苦悩を抱えている。

…幸せに見えても、一瞬先は闇だ。

私だって、今は彼がいたとしても、一瞬先は…

わからない。

私は美咲が支払いに行く間、エントランスでしばらく

ぼーっとそんなことを考えていた。
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