この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
揺れる恋 めぐる愛
第10章 懐疑と盲信
「あのね、みさ…「ののか。本当に今日は、ありがとうね」」
美咲は私の言葉なんて何もなかったかのように、
DVDに視線を向けたまま、つぶやいた。
「…うん」
私は出鼻をみごとにくじかれ、仕方がなく同じようにDVDに視線を移す。
「実は、私ね。突然こんな話をする気になったのは…
時間がクスリになったのか色々気持ちの整理もできてきたし、
それになによりやっと引っ越しもできることになったからなの」
「ちゃんと吹っ切ってね…
それで好きな人に告白しようかと思ってね」
思わぬ言葉に私は美咲を見た。
さっきまでの暗い雰囲気はなく、口元に少しの笑みが浮かんでいた。
その表情を盗むようにチラチラと見ながら、
もう彼女の中では終わったことなんだなと思った。
そう…
時は流れ、人は変わる。
私も変わった…
「ところでののかは、この頃どんな感じなの?」
唐突に私に話題が移る。突然バクバクし始めた心臓の鼓動。
動揺をなんとか押し隠しながら考えを巡らせる。
彼が最初に言った「表には出せない関係…」
それなのに現実は、表に出ないわけではなかった。
誰にも見られていない保証はないはずだけど…
それでも彼は気にしている素振りはない。
「ねえ、誰かいるんじゃないの?」
美咲は私の言葉なんて何もなかったかのように、
DVDに視線を向けたまま、つぶやいた。
「…うん」
私は出鼻をみごとにくじかれ、仕方がなく同じようにDVDに視線を移す。
「実は、私ね。突然こんな話をする気になったのは…
時間がクスリになったのか色々気持ちの整理もできてきたし、
それになによりやっと引っ越しもできることになったからなの」
「ちゃんと吹っ切ってね…
それで好きな人に告白しようかと思ってね」
思わぬ言葉に私は美咲を見た。
さっきまでの暗い雰囲気はなく、口元に少しの笑みが浮かんでいた。
その表情を盗むようにチラチラと見ながら、
もう彼女の中では終わったことなんだなと思った。
そう…
時は流れ、人は変わる。
私も変わった…
「ところでののかは、この頃どんな感じなの?」
唐突に私に話題が移る。突然バクバクし始めた心臓の鼓動。
動揺をなんとか押し隠しながら考えを巡らせる。
彼が最初に言った「表には出せない関係…」
それなのに現実は、表に出ないわけではなかった。
誰にも見られていない保証はないはずだけど…
それでも彼は気にしている素振りはない。
「ねえ、誰かいるんじゃないの?」