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揺れる恋 めぐる愛
第12章 普通と特別
甘い。甘すぎる……
周りをかまわず、私をただ甘く蕩けさせる彼に戸惑う。
その事実を素直に喜ぶより、底知れない怖さが胸を満たした。
手が届いたはずなのに
ただただ失うことに怯えてしまう。
今までの失うことで傷つくことを繰り返してきた。
でも……
となり、やっぱり……
にたどり着く。
こんな私が……
こんな特別な幸せを手に入れられるわけがない。
自分が普通であることすら難しいのに
特別なんて、無理に決まって……
グイと顎を強引に持ち上げられ、
今度は唇を強く押し付けるだけのキスが降ってきた。
ぐるぐると黑く澱んで回る思考のベクトルを
無理やりいっぺんに大希さんだけに持っていかれる。
「いい加減に戻って来い。どこまで行ってるんだ?」
私は離れた唇をこれでもかというくらい目を見開いて見つめた。
見つめる先の唇が再びこちらの顔に近づいてくる気配にギュッと目を閉じると
「ただ……
これからうまいブツを食べに行くだけだぞ」
と耳元に低い声で甘く唆すように囁いた。
身体は甘い愛撫に応えるように震える。
それでも私の気持ちは持ち上がらず、得体のしれないものと対峙することへ
暗く沈んでいくだけだった。
周りをかまわず、私をただ甘く蕩けさせる彼に戸惑う。
その事実を素直に喜ぶより、底知れない怖さが胸を満たした。
手が届いたはずなのに
ただただ失うことに怯えてしまう。
今までの失うことで傷つくことを繰り返してきた。
でも……
となり、やっぱり……
にたどり着く。
こんな私が……
こんな特別な幸せを手に入れられるわけがない。
自分が普通であることすら難しいのに
特別なんて、無理に決まって……
グイと顎を強引に持ち上げられ、
今度は唇を強く押し付けるだけのキスが降ってきた。
ぐるぐると黑く澱んで回る思考のベクトルを
無理やりいっぺんに大希さんだけに持っていかれる。
「いい加減に戻って来い。どこまで行ってるんだ?」
私は離れた唇をこれでもかというくらい目を見開いて見つめた。
見つめる先の唇が再びこちらの顔に近づいてくる気配にギュッと目を閉じると
「ただ……
これからうまいブツを食べに行くだけだぞ」
と耳元に低い声で甘く唆すように囁いた。
身体は甘い愛撫に応えるように震える。
それでも私の気持ちは持ち上がらず、得体のしれないものと対峙することへ
暗く沈んでいくだけだった。