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揺れる恋 めぐる愛
第12章 普通と特別
「お邪魔します。ささきです」
彼が私の手を引き、大きな声であいさつをしながら
玄関の引き戸をゆっくりガラガラと開けた。
彼の後ろから中へ入ると小さな玄関には
すでにスリッパが2足置かれてある。
私の手を放してそのスリッパを履き、
こちらを見て促された。
心臓は……
ずっと早鐘を打ったままだ。
彼の後ろをついて廊下を奥へと進む。
さっき車から見えた木立が窓の外に見え、
その内側に芝のある小さな庭がある。
私はそれを横目に見ながらゆっくり歩みを進めた。
程なくして現れた引き戸を勝手知った様子で開け、
大希さんが中に入るのに付き従う。
彼の背中越しに甘い香りが少しして、
中央にあるテーブルに目をやると、
白いお皿の上にホールの茶色のケーキ??が置かれている。
「そっちか……」
立ち止まった彼の低く響く声に、
どんな感情が浮かぶのかは伺い知れない。
「これ、甘さが極限に控えめなんだが、お前はいけるか?」
振り向いて尋ねられても、そんなこと即答できるはずもなく……
「なんで見ただけでわかるんですか?」
と言うしかない。
「俺の昔からの好物なんだよ……」
少しバツが悪そうにため息を吐き出す。
「さっきの話で、これとどっちなんだろう
と思っていたんだけど、やっぱりコッチだったか」
彼が私の手を引き、大きな声であいさつをしながら
玄関の引き戸をゆっくりガラガラと開けた。
彼の後ろから中へ入ると小さな玄関には
すでにスリッパが2足置かれてある。
私の手を放してそのスリッパを履き、
こちらを見て促された。
心臓は……
ずっと早鐘を打ったままだ。
彼の後ろをついて廊下を奥へと進む。
さっき車から見えた木立が窓の外に見え、
その内側に芝のある小さな庭がある。
私はそれを横目に見ながらゆっくり歩みを進めた。
程なくして現れた引き戸を勝手知った様子で開け、
大希さんが中に入るのに付き従う。
彼の背中越しに甘い香りが少しして、
中央にあるテーブルに目をやると、
白いお皿の上にホールの茶色のケーキ??が置かれている。
「そっちか……」
立ち止まった彼の低く響く声に、
どんな感情が浮かぶのかは伺い知れない。
「これ、甘さが極限に控えめなんだが、お前はいけるか?」
振り向いて尋ねられても、そんなこと即答できるはずもなく……
「なんで見ただけでわかるんですか?」
と言うしかない。
「俺の昔からの好物なんだよ……」
少しバツが悪そうにため息を吐き出す。
「さっきの話で、これとどっちなんだろう
と思っていたんだけど、やっぱりコッチだったか」