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揺れる恋 めぐる愛
第14章 曖昧と明確
今度は自分が同じ指でつまんだソレを、指ごと口に含む。
ゆっくりと見せつけるように指を引き抜き咀嚼しながら、
大希さんがこちらをじっと射貫くように見つめる。
その瞳に燻った艶のある色を認めて
ハッとした私を見つけてゆっくりと口角を上げた。
「本当に、無自覚なんだな。お前は……」
私の顎に彼の親指が添えられる。
ねめつけたまま、指で私の唇をなぞった。
私は無言でなすがままになっていると
彼の瞳が優しく揺れ、細められた。
それから顔が近づいてきて……
目を閉じると唇が重なる。
そのままふわっと優しく大きな胸に閉じ込められた。
「大希さん?」
胸に顔を擦り付けたまま、くぐもった声でその名を呼ぶ。
「ん?」
彼が私の頭に自分の顎を乗せた。
「何も聞かないんですか?」
「お前は……
聞いてほしいのか?」
「……」
「……だろ?じゃ、いいじゃないのか?」
「本当に?」
「ああ、そのままのお前が、今この腕の中にいる。
それだけで俺はいい」
私は無言でうなずいた。
「ただ……
ただ、本当に無自覚なのだけは……
困る」
抱きしめる腕に少し力がこもる。
「無自覚?」
「そう」
「何が?」
私は彼の胸を押して顔を見上げた。
「……そうやって……
俺を惑わすんじゃない」
ゆっくりと見せつけるように指を引き抜き咀嚼しながら、
大希さんがこちらをじっと射貫くように見つめる。
その瞳に燻った艶のある色を認めて
ハッとした私を見つけてゆっくりと口角を上げた。
「本当に、無自覚なんだな。お前は……」
私の顎に彼の親指が添えられる。
ねめつけたまま、指で私の唇をなぞった。
私は無言でなすがままになっていると
彼の瞳が優しく揺れ、細められた。
それから顔が近づいてきて……
目を閉じると唇が重なる。
そのままふわっと優しく大きな胸に閉じ込められた。
「大希さん?」
胸に顔を擦り付けたまま、くぐもった声でその名を呼ぶ。
「ん?」
彼が私の頭に自分の顎を乗せた。
「何も聞かないんですか?」
「お前は……
聞いてほしいのか?」
「……」
「……だろ?じゃ、いいじゃないのか?」
「本当に?」
「ああ、そのままのお前が、今この腕の中にいる。
それだけで俺はいい」
私は無言でうなずいた。
「ただ……
ただ、本当に無自覚なのだけは……
困る」
抱きしめる腕に少し力がこもる。
「無自覚?」
「そう」
「何が?」
私は彼の胸を押して顔を見上げた。
「……そうやって……
俺を惑わすんじゃない」