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揺れる恋 めぐる愛
第15章 悪運と悪運
ファンッーーー

その時、警笛を響かせておとこの後ろから強い光がさした。

おとこがビクリと身体をひくつかせてから

光の方にゆっくりと振り向く。

ファンッ、ファンッーーー

再びの大きな音に怯んだおとこが後ずさった……

もう一度警笛を鳴らしながら

車がゆっくりとおとこの横を通り過ぎていく。


見たことのある?

ような気がする車が今度は私のそばまで来て止まり……

唐突にバン!!と助手席のドアが目の前で大きく開き

「ののか!!!」

中から馴染みのある声が今度は直接耳に聞こえてきた。


どうして……

なぜ、今、ここに……

なんて考えている暇なんてない。

その姿は見えなかったけど確信して

車に飛び込みバタンと大きな音を立てて思い切りドアを閉めた。


チラリとだけおとこの方を見ると

みやはらさん?!がこちらを呆然と見つめる中、

わたしが乗り込んだ車は滑るようにその場を後にした。


目の前の危機を回避することはできたのだろうけど……

心臓はまだ早鐘を打っていて落ち着く様子はなかった。

車内は暗く、運転する男の横顔はキビシイ。

それでも私にとっては安心できる横顔で……
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