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揺れる恋 めぐる愛
第15章 悪運と悪運
その夜「今夜はこのまま一緒にいろ」という彼に甘えて

私は家に帰らずにそのまま連れ去られた。

大希さんの探したホテルはダブル1部屋しか空きがなく、

言われるまま先にシャワーを浴びてベッドに横になる。

疲れているはずなのに……

目が冴えて眠れない。

それでも静かに目を閉じて意識が落ちるのを待つ。


後からシャワーを浴びた大希さんが

そのまま上掛けをめくりこちらに近づいて……

その気配に心臓は鼓動を早める。

手が伸びてきて、背中に湿度をまとった熱が密着するのと同時に

手と足が絡みついた。

少し身体を固くすると、頭に掌が乗せられ

何度も髪を撫でられる。

繰り返される、優しい指先を感じながら

次第に身体の力は抜け、大きな溜息が一つ零れた。

撫でる手が止まると、耳元に唇を寄せ、

フ―っと息を一度だけ吹きかけてから

「もう寝ろ……」

と囁かれる。

それから、ただ私を後ろから

静かに抱きしめ規則正しい寝息を立てた。

しばらくして腕の力が抜けていき、本当に寝てしまったらしい。

その繰り返される吐息を聞いていると

私もいつの間にか意識が途切れた……
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