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揺れる恋 めぐる愛
第2章 日常と非日常
電車に乗り、席に座って先輩に返信する。

[飲み会だったので、今家に向かっています。

10時ごろには帰りますが、何時ごろ着きますか?]



今高速なら、返信はすぐにないだろう……

送信だけすると、車窓に広がる景色を眺めていた。


最初は優しくて、誠実そうに見えた。

研修で行った課で、私を指導してくれた尊敬できる上司……


営業をする気はなかったが、これも経験だよと言って

積極的に外回りにも連れて行ってくれた。


仕事もできるので、あの年で主任なのたそうだ。

おそらく出世も早いのだろう……

私と二人きりの時は社内とは違う別の顔……

あれが本来の主任なんだろうか?


少しずつ侵蝕してきて、突然深く踏み込んでくるのが……

怖い。

先輩からメールが来た。

[よかった、やっと連絡取れた。突然でごめん。着くのは夜中過ぎの予定。

夕飯食べてないけど、何かある?あと、泊まってもいい?]


携帯に向かって微笑みながら、返信をする。

[あるものでよかったら。もちろん泊まって下さい。

それより、わざわざ来てくれてありがとう。気を付けて運転して来てね。]

そろそろ駅に着く。

携帯を手にしたまま私は電車を降り、家まで歩いて帰った。
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