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揺れる恋 めぐる愛
第4章 愛しさと切なさ
「わかりました。美味しい昼食くらいはいただけますよね?」

「ああ。せめてそのくらいはな。

なんなら、夜にゆうし……「日が暮れたら帰りますね」」

私は、主任が言い終わる前に口をはさんだ。

「……ああ、わかった」

低い声だったが承諾してくれた。

「じゃ、ここで少し待っていてください……」

「立ったまま?」

「10分位そこらなら、待てるでしょ。営業は足で稼ぐ仕事でしたよね?

仕事で待てるなら、そのくらいは大丈夫でしょう。

それに、家にあげるほどの関係ではないはずです」

「わかった、早くしてくれ。時間がもったいない」


私は部屋に戻った。先輩以外の男性はもう入れたくない。

家にも、心にも。そして、もちろん2度と……


それから20分程かかって、用意をした。

主任は時間を超過しても、文句も言わず玄関で待ち、

私が再び玄関に現れると、無言で私の手を引いて家から連れ出した。

紅葉を見ること以外どこに行くのかも告げられず、

車の助手席に乗せられて出発した。


主任はなぜ突然紅葉を見に行こうなんて言ったのだろうか?

いつも衝動的にしか行動しない主任は……

本当によくわからなかった。
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