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揺れる恋 めぐる愛
第4章 愛しさと切なさ
少し離れたところに立ち止まり、主任が敷物を出して座り込む。

そして固まっている私を見上げ、目でここに座れという。

「座ったらいいんですか?」

「ああ」

「お邪魔します……」

私は遠慮気味に、主任から少し離れたところに腰を下ろす。

主任が私に無言でさっき持ってきた荷物を押し付けてきた。

意味が分からずその荷物を探ってみると……


黒い大きなもの。お弁当?!


私は目をぱちくりさせながら、中身を一つずつ取り出した。


「主任……

誰が作ったんです?お母さん?」

お重が2つ。私はその1つを自分の前に引き寄せる。

おそらくそれは……

手作り?!

「……俺」

「引くだろう?」

俺と言ったところで、片方の眉が一瞬上がった。

「へっ?」

私はそれ以上何も言えず、膝の前に置いた。

主任を見つめ無言で開けていいか許可を求める。

こちらを見ていた目が、無言でうなずく。

私は……

黒い蓋を開けた。

仕切りが4つある……

松花堂弁当だ。


主任が私に近づいてきて箸を渡し、私の前にある弁当箱を持ち

180度回転させた。

筑前煮、卵焼き、鮭の昆布〆、紅白なます、きのこのあえもの、ご飯。

私は中身を眺めてから思わず主任を見上げる。

「やっぱり……

そうだよなぁ、引くよなぁ……」

主任は私と視線を合わせないまま言い、自分の前に弁当を置いて蓋を取り、

手を合わせ食べ始める。
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