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揺れる恋 めぐる愛
第4章 愛しさと切なさ
「子どもの頃、こんな自然の多いところでよく遊びました」

「そうなのか」

「はい。久々にその頃を思い出しました。懐かしい思い出です」

「俺にも……

そんな時代はあったな」

「毎日仕事仕事で、疲れていて……

ありがとうございます」

「ああ」


「ところで、その頃お前は野山を駆け回るような……

奴だったのか?」

「いえ。一応これでも女の子なので、そんなに激しい遊びはしてません」

「してみたいと思ったことはあるだろう?」

「確かにリーダーの子は木登りしたり、男の子と張り合っていましたけど、

私には無理だから……」

「じつはこっそり登った。でも降りられなくなって……

通りすがりの大人に助けられてから、二度としなくなった」


私はびっくりして、目を見開き思わず主任の肩を掴む。

ビリっと手に嫌な刺激が伝わってくる。

まただ……

なんでこの人に触れるとこうなるのだろう……


「なんでそんな昔の事知ってるんですか?」

「ふっ。なんでだろうな?」

主任は、振り向いて意地悪な笑みを浮かべている。

「主任って……

やっぱり変ですよね?」

私は睨みつけたが、主任は口の端が上がったままだった。

どうしてこの人は私を挑発するのだろう?

でもこれ以上聞いても答えは返ってこない。ただの無駄だ……

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