この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
揺れる恋 めぐる愛
第4章 愛しさと切なさ
「もう1ヵ所、寄りたいんだが……
いいか?」
私は無言でうなずいた。5分程車を走らせ……
とめる。
日が傾いてきた……
空気のすべてが赤い太陽の色に染められ、真っ赤な世界だった。
そこは大きなお寺だった。
「悪いが、ちょっと待っていてもらえるか?」
「はい……」
彼は車を降りた。そして、大きな門をくぐってお寺の中に…
消えた。
待っていろと言われたものの何か引っかかるものがあり、
シートベルトを外し、そっと車を降りる。
外の空気はひんやりとして、気持ちよかった。
大きな門の方に足を向ける。
門をくぐろうとすると、主任が家人と玄関の前で話しているのが見える。
少しして話が終わったのか頭を下げ、建物を回り込もうと
私に背を向けたまま歩き出す。
家人は私に気づいたのかこちらに頭を下げたが、
そのまま建物に入っていった。
私は、当たり前のように主任の後をひっそりと追う。
建物の裏手は墓地だった。
赤い世界に浮かぶ墓場はあまりにも気味が悪くて、
私は建物の端で足がすくんだ。
目を細めると、主任は奥に奥に進んでいく。手には桶と花。
なんでこんな時間に墓参り?もしかして?
たどりついたのか主任は墓に水をかけ、花を立て前に腰を下ろすと
静かに手を合わせている。
しばらく……
動かなかった。
もうじき日が暮れる。
いいか?」
私は無言でうなずいた。5分程車を走らせ……
とめる。
日が傾いてきた……
空気のすべてが赤い太陽の色に染められ、真っ赤な世界だった。
そこは大きなお寺だった。
「悪いが、ちょっと待っていてもらえるか?」
「はい……」
彼は車を降りた。そして、大きな門をくぐってお寺の中に…
消えた。
待っていろと言われたものの何か引っかかるものがあり、
シートベルトを外し、そっと車を降りる。
外の空気はひんやりとして、気持ちよかった。
大きな門の方に足を向ける。
門をくぐろうとすると、主任が家人と玄関の前で話しているのが見える。
少しして話が終わったのか頭を下げ、建物を回り込もうと
私に背を向けたまま歩き出す。
家人は私に気づいたのかこちらに頭を下げたが、
そのまま建物に入っていった。
私は、当たり前のように主任の後をひっそりと追う。
建物の裏手は墓地だった。
赤い世界に浮かぶ墓場はあまりにも気味が悪くて、
私は建物の端で足がすくんだ。
目を細めると、主任は奥に奥に進んでいく。手には桶と花。
なんでこんな時間に墓参り?もしかして?
たどりついたのか主任は墓に水をかけ、花を立て前に腰を下ろすと
静かに手を合わせている。
しばらく……
動かなかった。
もうじき日が暮れる。