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揺れる恋 めぐる愛
第4章 愛しさと切なさ
最後の光が消え去る直前、主任がその場に立ち上がり

墓石に向かって右手を伸ばした。

そして……

その手に頭を乗せた。

赤い一筋の光が主任を突き刺し、消えていくように見えた。


私は遠目にそれを見ながら、切なくて胸が締め付けられて……

これ以上盗み見る事ができず、その場を立ち去って車に戻った。


私が車に乗って、程なくして主任は戻ってきた。

「すまない……」

それだけ言うと帰路についた。

それから何も話そうとはしなかった。

私も、さっき見たものがなになのかよくわからず、

かといって聞くわけにもいかず、何も話せなかった。


帰りの2時間ほどもお互いに車に流れる音楽に耳を傾け、

いつしか私は少しうとうとと寝てしまっていた。


ICを降りた時なのか、

「おい、そろそろ起きるか?」

その声にはっとして、

「すみません。いつの間に寝てしまっていて……」

「いや。どこで食べるか?」

「いえ」

「気をつかわなくても俺がお前と……」

「すみません」

私はきっぱりと言い、首を横に振った。

しばらく二人の間には沈黙が流れた。

そして、

「わかった」

そう言うと、車の進路を私の家の方に向けた。
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