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揺れる恋 めぐる愛
第4章 愛しさと切なさ
それからも、なんてことない平凡な日常。

それでも私は、先輩からメールがあったことが少しうれしかった。

それまではただ落ち込んだり自分に腹が立ったりで

それ以上どうしても気持ちを持ち上げることができずにいた。

上手くいくかはわからなくても、

自分から繋ぎ止めることのできなかった糸を

穏やかで優しい先輩の方から何とかしようとしてくれた……

その事実が私の胸を少しだけ温めてくれていた。


来週のクリスマス、いつ会えるのかはわからないけど……

せっかくだから何か持って行った方がいいのかな?

と思い、私は週末会社の帰りにちょっとしたプレゼントを

選びに行くことにした。


駅と一体になった複合施設に文房具も置いている書店があった。

通りすがりそこのショーウインドをふと覗き込む。

ツリーと一緒においてあるものが気になって……

お店の重いドアを押して中に入った。


万年筆。今どき流行らないんだろうけど……

でもスタイリッシュなデザインにくぎ付けになった。

店の奥にちらりと見えた小さなコーナーに吸い寄せられるように近づく。

並ぶソレはどれも輝いて見えて……

手に取るのがはばかられた。


それでも勇気を振り絞って掌に収めたら、キラキラと存在感を示してきた。

その瞬間先輩が微笑む顔が浮かんで……

ホシイと思った。
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