パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第4章 愛しさと切なさ

「この頃……

どうしたんだ？

おまえにそんな顔しかさせられない奴なら……

俺の方がまだましだ」

きっぱりという横顔はとても端正に見える。

でも私はそんなことでは騙されない。

この人は本当になんて勝手なんだろう……

何も知りもしないはずなのに、何もかもが見えているような素振りで

私の傷に塩を塗り込む。

ここにこうやって２人でいること自体、

私を傷つけているということがわからないのだろうか？

「あなたの……

あなたが私の前にいつもいつも突然現れるから……」

激情が込み上げてきて目尻に溜まり始めた涙を、

眉を思いっきり寄せて堪える。


「いや。お前はよ―――くわかってるだろ？

そんな辛い想いしかさせない。そんな相手なら、もう会うな。

俺なら、お前にそこまで無理強いはしない」

「無理強いしないですって？！

あなたはいつも、いつも……「俺が、いつ無理強いしたのか？

紅葉の時も、さっきも……」」

一呼吸間があって

「どうなんだ？」

何て事を……

主任は険しい目つきで私を睨んだまま続けた。

「最初だってそうだ。俺は本当に無理強いしたのか？

あの時、俺はお前を無理矢理力ずくで犯したのか？

連れまわしたのか？

お前は……

そう思っているのか？」