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喪われた記憶
第10章 引っ越しの前に
開けた胸が彼の大きい手で包まれる。
前のような気持ち悪い感じはしない。
今は…なんだか触れて欲しいって気持ちが大きかった。
「…ん…ぁ…」
『…月琴……』
私を呼んでくれるその声が、耳に心地いい。
段々荒々しくなってきたその手つき。
それに合わせて私の息も荒くなる。
「んっ…はあっ…ぁんっ」
体が疼いて仕方がない。
でも、自分から言うのは気が引けるから…
思わず足を摺りあわせてしまう。
『月琴…足』
指摘されて顔が真っ赤になる。
「…ごめんなさぃ…」
『…もう限界?』
じっと見つめられているから、顔をあげられない。
こくん、と頷いた。