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喪われた記憶
第10章 引っ越しの前に



「…えっ…んぁっ!」


『…ほらっ』



恥ずかしい…けど今更かな?



「はっ…ん…触って…っ」


『…どこを?』


「…っ…下!」


『ふっ…下ね…。』



指が脇腹から降りていく。


やっと…解放される…

と思ったのに。



彼の指は肝心なところを通り過ぎ、

太腿に指を這わせる。



「っ……なんでっ?」



涙目で彼を振り返る。



『…っ』



すると腰に手を回され、後ろにグッと引き寄せられた。


そのまま口付けられる。



「…んっ…はっ…ぁ…んんっ…ぅん…」



それは激しさを増していき、どんどん深くなる。

首をひねっているから苦しい。

でも、彼の舌が逃れることを許してくれない。

そして私も捕らえられることを望んでる。



彼の首に片方の腕だけ回す。

彼も私の頭の後ろを支えてくれた。





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