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喪われた記憶
第10章 引っ越しの前に
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「…昼間からなんてことを……」
大きめのパーカーとズボンを着た私はソファで項垂れる。
その隣に彼が腰掛ける。
『嫌がってなかったじゃん?』
「だからってこの明るい時間に襲わなくったっていいじゃないですか!」
『月琴がエロかったのが悪いね。』
「なっ…!」
『愛しい女が素肌の上に一枚タオルケット羽織っただけの状態なんて。
誘ってるようにしか思えないね。』
「………っ」
今不覚にもドキッとした。
“愛しい女”
そう思ってくれてるんだってことに、少し心があったかくなった。
今すぐは無理だけど、私もその思いに応えられるようにならなきゃな。