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喪われた記憶
第12章 月琴の過去
そんなある日のことだった。
お父さんがお酒に酔って帰ってきた。
すごくふらふらしてて、
りーちゃんは急いでお父さんを支えて寝室へ入った。
そして、冷蔵庫から水を取り出して持っていった。
寝ていた私は起き上がってりーちゃんに
『手伝おっか』
と言った。
するとりーちゃんは、横に首を振って
『大丈夫。
夏恋はもう寝てて。もう夜遅いからね。』
そうにっこりとわらってくれた。
だから私も安心して眠りについた。
しかし。
この日を境に
りーちゃんは笑わなくなっていってしまうのだった。