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喪われた記憶
第12章 月琴の過去
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いつの間にか眠ってしまっていたようだった。
「………20時かよ」
はぁ…と溜息をつく。
まだ頭が混乱している。
思考が追いつかない。
というか信じられない。
ふと、テーブルを見ると
出しっぱなしにしていた例の手紙があった。
もう一度、目を通す。
“嫌いになった訳じゃない”
“側に居られない”
“あなたのことを汚したくない”
“汚したくない”―――――――。
今ならその意味が分かる。
実の父親に……
俺以外の男に抱かれてしまっていたから…