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喪われた記憶
第12章 月琴の過去
月琴は一体どんな気持ちだっただろう。
俺という彼氏の存在があるのに
他の男…しかも父親に犯され……
そんな事俺に言えるわけがない。
それを悟られないように、
どんなに辛くても
どんなに悲しくても
笑顔で接して………。
そんな、
板挟みの状態で。
罪悪感で押し潰されそうになりながらも
俺と至って普通に接していた彼女。
とてつもなく大きな闇を抱えた彼女。
俺には何ができる?
今更かもしれない。
でも。
まだ間に合うというのなら。
俺に月琴を守らせてほしい。
こんな過ちを繰り返さないために
今度は俺も一緒に……
アイツを支えたい。