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喪われた記憶
第14章 恋敵?



はぁはぁと息を切らして門の近くへ辿り着く。


そして見つけたのは、沢山の人だかり。


その中に瀬奈ちゃんの後ろ姿を見る。



「…瀬奈ちゃんっ!」


『あ!月琴!
お兄さん!月琴来ました!』


「え?お兄さん?」



瀬奈の視線の先……人だかりの中へと目を向ける。



『ごめん、ちょっと通して』




その聞き覚えのある声……



人が道を開けて行く。



そして現れたのは



『月琴、帰ろう?』



スーツ姿の紫苑だった。





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