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喪われた記憶
第17章 悪夢から正夢へ




紫苑がいなくなった部屋―――




それは恐ろしいほど静かだ。




再びベッドに身を預ける。




まだ彼の香りが残るそこに……




「まだ一日も経ってないのに………」




つくづく彼の存在の大きさを思い知らされる。



夏だけど布団を目深にかぶる。




こうすると、
紫苑に包まれているかのような気分になる。




「………紫苑」





早く帰ってきて………











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