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喪われた記憶
第20章 檻の中

『月琴も俺に会いたかっただろ?』
「やめて…っ」
―――ジャキ…ジャキ……
ハサミで私の服を切っていく。
外気に晒された胸を見ると、狂ったようにそこにむしゃぶりついてきた。
「やだ……やめてっ……」
―――ジュル…ピチャ……
私の声なんて聞こえていない。
私の目の前にいるのは一匹の獣だ。
私は抵抗するものの、無駄に終わる。
とてつもない力で押さえつけられている。
「やめてよ……おねがいっ…」
何度も懇願する。
すると、お父さんは顔を上げた。

