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喪われた記憶
第23章 絶望の時






5年前にやられた傷は薄まっているけれど、


この前のが重なって濃くなってしまった。





まるでそれは刻印のよう―――






「………っ…う……ぐぁっ」







消えないと分かっていても爪を突き立てて



掻き消そうともがく。




















『傷つけられたいならやってやろうか…?』









「……………………!!!」
















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