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喪われた記憶
第23章 絶望の時





その途中、目に入ったのは



「……紫苑」



彼のパーカーだった。



私はそれも掴んで、玄関の扉を開けた。



『待ちやがれ…っ…この野郎……!!!』



後ろから声が聞こえて



慌ててドアを閉めた。



私はマンションの屋上へと走る。








もう終わりにしたかった。



全てを消し去りたかった。














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