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喪われた記憶
第26章 彼の温もり





ほんと……?



ほんとに……?




「会いたいって思っててくれてたの………?」


『うん』


「私のこと……嫌だって……汚いって…」


『思わない』


「黙って突き離しちゃったのに…っ」


『うん…辛かった』




私の言葉に短く返してくる。


その時も声は優しいままで、


私の頭を撫でてくれている。




「う…裏切っちゃった、のに…っ
 手紙だけだったのに……っ」


『そうだね』




私の声は嗚咽が混じって


上手く言えなくなってきていた。


それは彼も同じで。











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