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喪われた記憶
第26章 彼の温もり
「お父さんのことも……知ってたの…っ…?」
『……うん…』
「私が何してたかも……っ……?」
『…………っ………憎たらしいけどね』
彼の腕の力が更に強くなる。
息苦しくて…
でもそれが何だか……
「それなら……なんでっ…!」
込み上げてきた感情に
その勢いで彼を見上げる。
すると━━
『分かんないの?』
綺麗な顔を
苦しそうに歪めて
私を見下ろしていた。
「…え…?」
片方の腕が私の頬に添えられて……
『…お前のことが…っ……大好きだからだよ!』