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喪われた記憶
第2章 誘拐




電気が付いていないから
顔は分からない。



でも声質から男性だと読み取れる。



男は段々私に近づいてくる。





「…いゃっ…来ないで……」





そんな私の言葉なんか聞こえないみたいで



ベッドの縁まで来ると首輪を引っ張られた。




「…痛っ」




首に食い込んで思わず声を出してしまう。




『…お前、今の状況分かってんのか?』






そう男は言った。





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