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喪われた記憶
第2章 誘拐




「…。」



そう言われて少しだけ考える。



ここは私の家ではない。


私は確か家に帰っていたはず。


なのに何故ここで寝ていたのか。


そして何故首輪を着けられているのか。




「…まさか」




私……誘拐…されてる?





「……っあ…」





突然突きつけられた現実に、

怖くて声が出ない。



――――どうしよう



「…たす…け…」




『…ふーん…この状況で助けが来るとでも思ってるのか?』




「…」


体が強張る。



『…悪足掻きは終わったか?』




その言葉と同時に

鎖をぐいっと引かれた。




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