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第3章 もう一人の私

 シャワーを浴び終わると、夜勤の母が用意した、カレーを温めて食べた。
冷蔵庫にはサラダが入っている。

 母は夜勤の日は必ず父と私の夕食を用意して出掛ける。

 父はショツピングセンターの中に入っている、薬局で働いているので帰りは22時近くになる。

 一緒に食べてあげたいが、そんな時間に食べたら太ってしまうので一人で先に食べる。
こういう日も月に何度かあった。

 寂しいとは思わない。
これに慣れてしまえば当たり前の事。

 兄が一緒に住んでいた時は、こういう日をチャンスとばかりに、彼女を家に誘い、セックスを楽しんでいた。

 私は気づかない振りをしたが、兄の部屋から聞こえてくる、軋むベッドの音や遠慮気味な彼女の小さな喘ぎ声が思春期の私を余計に刺激したものだ。

 セックスが終わった後、部屋から兄や彼女が出てくると、よそよそしい雰囲気で私を気にして様子を伺ってくる。

 隠れてするセックスは、疚しさの中でも刺激的であり、止められない性欲を素直に曝け出して、後先を考えずに夢中にするものなのではないかと思った。

 勉強が出来て、親の期待を背負い、優秀な子供という期待を裏切らない兄でもセックスの魔力には勝てない。
一人の男として、彼女を求めて腰を振る雄になるのだ。

 私は兄達がセックスをしているのを妄想すると、アソコがむず痒くなり、その未知の世界へ憧れを抱いた。
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