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PINK
第9章 初めての‥‥

 私だよ。
もう一人のね


 「悪りぃな。
俺の勘違いみたい。
刺激強いの見せちゃってさ‥…
気、悪くした?」

 私はしらばっくれる事にした。
けど、ほんの少しの駆け引きも楽しみたい。
顔を上げて優希の顔を見る。
クリームソーダをストローで飲み、自分を落ち着かせた。

 「刺激的な写真でびっくりした。
そんなに私に似てますか?」

 優希は笑った。

「似てると思ったから声掛けた」

 私は否定する顔を作り、尚且つ、優希をたしなめるかのように、こう切り出した。

 「残念ながら、私じゃないです。
仮にこれが私だったらどうしてました?」

 「君がこのブログの桃だったらさ、セックスしてみたかった」


 おっと!直球かよ!
ハッキリ言うのね……


 「菱野君って面白いね」

 私は皮肉るように言った。


 優希は笑う。
笑いながら上目遣いで言う。


 「やっぱり、君が桃でしょ?」

 何故そう思う?
否定したじゃない!!

 「違うわよ!」
私はムキになって怒ってた。


 「分かった、分かった。
ならさ、俺と付き合わない?
付き合ってから君が俺とそうなるならいいよね?」

「ななな‥‥何、言ってるんですか!」

「君が桃じゃないなら、付き合ってからセックスしょうって言ったの」

「からかってるなら辞めて下さい」



 セックスはしたいよ。
したいけど、誰でもいいわけじゃない。
菱野が悪いわけでもない。
実際、私は菱野がセックスしたい桃なわけだしね。

あぁ‥‥……こんがらがってきて面倒臭い。
面倒臭いけど萌える。


 こういうやり取りにも興奮して、ジワジワと濡れてきちゃう。
一層の事、菱野優希と手っ取り早くしちゃってもいいかな?




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