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第9章 初めての‥‥

 優希は自信ありげな顔を私に向けた。

 「君が桃じゃなくてもいいや。
そうだと思って意識して近づいたけど、そうじゃないなら君を一人の女として口説くなら問題ないだろ?
なぁ俺と付き合おう?」

 「夏期講習で顔を何度か会わしただけじゃない!
それに、私はその桃とかいう人じゃないし、からかわれるのは不愉快だわ!」

 「からかってないさ。
俺はこう見えても女に不自由してないんだよねー
興味のある女しか口説かない。
話してみて、君に興味があるから口説いた。
軽く見えるかもしれないけど、マジで抱きたい女にしか告らないよ」

 ドキドキした。
私にとって、きっかけはどうあれ初めて告られた経験だ。
振るには惜しい男でもある。


 「いいわ。菱野君がからかってるんじゃないなら」


 「最初からからかう気はない。
抱きたいから始まる事もあるだろ?」


 「そうかもね」

 優希を見ていたら、優等生ぶるのやーめーた。
ネット以外に素になれる場所あってもいいじゃん!!

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