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藍の果て
第3章 陰謀
――――――
薄明りの中だが、女の姿は良く見て取れた。
白いシーツが皺を作り、女の濡れ湿った髪が乱れて広がる。
この体温を離すまいとしてか、首に巻き付く腕は細く捻り上げれば簡単に折れてしまうだろう。
柔らかく簡単に握りつぶせそうなモノだから、丁寧に扱わなければという理性と、この手で全てを握りつぶして壊してしまいたい汚い欲望に駆られる。
まるで陶器のようだと、思う。
首筋に顔を埋めると耳元で切なそうな吐息が漏れた。
耳を伝って頭すら痺れてくるのは、男の本能なのだろうか。
自分を求められてるという独りよがりな勘違いで、何度も口づけを落とす。
「あっ……んっ……はぁ……」
酸素を求めて女の唇が動いたのを無理矢理に覆い尽くすように唇で塞いだ。
「んンっ…………、ふっ」
息苦しそうな声が、自分を咎める言葉すらも出せず下の女は為すが儘になっている。
包み込むように丸みのある膨らみを掬いあげると、大きさを強調し、男に突き出しているような姿になる。
「アッ……、いやっ……」
拒むような弱弱しい声も聞き入れるはずもなく、その頂きに吸い寄せられるようにキスを落とすと女の身体が跳ねた。
その小さな拒絶を更に見たくなり、男の舌は焦らすように離れていく。
「あっ…………やッ」
「どうした?」
惚けるように問い返すと潤んだ瞳で拗ねるように見つめてくる。
髪を撫でながら小さく肩を震わせて、恨み言でも言いたそうな様を見つめる顔に、支配欲を刺激させられる。
更に女の耳元で背徳心を煽ってやった。
「主がいつ戻ってくるか分からないんだろう?こんな所見られたら」
護られている女が他の男と熱を求めあって抱き合ってる、なんて絶対にあってはならない事だ。
契約を結んだ女の身体はもう、自分のモノではないのだから。