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ティア・リフレインに捧げる
第8章 下腹が淫らに湿り、愛撫をせかすように乳房を……
 それは紛うことなき勇者アレイオの姿であった。

 全身から水を滴らせ……いや、全身が水だ。

 水で出来たアレイオの似姿だった。

 だが、その瞳、その眼差し、本物とそっくりのその仕草。

「ティア様……」

 ティアが望んだその言葉。

 想像の中でしか呼ばれたことのない自分の名。

「ティアと……ティアとお呼び下さい」

 想像の中で何度も繰り返した返事。

「アレイオ!」

「ティア!」

 ぬるり、とアレイオの身に纏っていたものが融溶する。

 半透明の裸体となった偽のアレイオがティアを胸に抱き寄せた。

 王女の四肢を掴んでいた水の腕はいつしか消えていた。
 もう必要なくなったのだ。
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