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ティア・リフレインに捧げる
第10章 その腕の中で手折られるは一輪の花……
勇者アレイオは処刑された。
魔王と通じ、裏切りを企てた罪で斬首とされた彼の遺体は、むごたらしくも城下の目抜き通りに曝された。
これで憂いなく魔王に対抗できる。
との触れこみであったが、かつて魔王を滅ぼした勇者が失われたのである。
民衆は言うに及ばず、各国より連合会議の為に訪れていた諸侯使節団も同様に困惑を露わにしていた。
諸国連合会議は最悪の出だしとなった。誰もがそう思い、宰相シヂの裁定の妥当性を疑った。
だが、そのような風評を意に介さず、自信満々にシヂは各国代表を城内へと迎え入れた。
大円卓の間で、対魔王連合の密議の開催であった。
そして、参集した各国の使節団は、密議の場で目にした光景に息を飲むことなる。