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ティア・リフレインに捧げる
第10章 その腕の中で手折られるは一輪の花……
「答えろ、ティア・リフレイン!」
(アレイオ……や、やっと……)
呼んでくれた。私の名前を。
「私の望みは……叶いました」
「……ならば死ね」
めき。
魔王の腕の中で手折られる一輪の花。
UUUUUOAAAAAAAAA!
絶叫を轟かせ、アレイオは哭いた。
熱涙が、真っ黒なその頬を伝っていた。
腕を一振りして窓を突き破る。
「アレイオ……」
オルフィーンが呟く。
しかし、アレイオはかつての仲間達を顧みることはしなかった。
魔王はそのまま、微笑みを浮かべた亡骸を胸に抱き、背中に翼を広げて空の彼方へと飛び去った。
ティア・リフレインの魂と共に。