この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
~花の玉手匣~
第5章  蒼い牙に抱かれて

そのとき、口を挟んだのは翔龍だった。

「わたくしが一つお持ちいたしましょう」

震えるぼくの左手から、墨液の入った硯を受け取ろうと手を差し伸べる。

余裕のある微笑。

ぼくより頭みっつぶんも高く、大人びた顔は綺麗で、指が長くて、優雅で……。

――きっとぼくなんかより、ずっと上手に陛下を悦ばせてきたんだろう、あの官能的な指先で。

勝てるものが何もない気がして、ぼくは劣等感に窒息しそうだった。

だからぼくは最後のあがきで自尊心を守るため、

「けっこうです!」

強く叫んで、翔龍の手をはねのけていた。

その瞬間、安定が崩れ、ぼくの左手から硯が落ちた。

真っ黒な液体をぶちまけながら――




/153ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ