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~花の玉手匣~
第5章  蒼い牙に抱かれて

「部下がとんだ不作法をいたしました。教育不足の段、お詫びのしようもございませぬ」

「この無能者を摘まみ出せ。不愉快だ」

「仰せの通りに」

総監は陛下に頭を下げると、ぼくの首根を掴んだ。

ぼくは乱暴に連行された。

部屋を出される寸前、陛下を振り仰いだ。

陛下はまるで無関係なものを見るような、冷ややかな眼をしていた。

そんな目で見られるのは初めてで、ぼくは愕然とした。

――陛下を失望させてしまった…。



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