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~花の玉手匣~
第5章 蒼い牙に抱かれて
ぼくは裏方に連れていかれた。
総監は「面目を潰された」とヒステリックに怒っていて、湿らせた枝鞭でぼくの両手を20回打ち据えた。
皮膚が裂け、血が滲んだ。
それから外へ連れ出し、水を張った盥を持たせて「良いというまで立っていろ。水を一滴たりともこぼしてはならぬ」と言い置いた。
ぼくは風の吹きすさぶ庭に放置された。
そこは人通りの多い場所で、内官や女官たちにじろじろ見られた。
俯くと涙があふれた。
鞭痕の痛み、晒し者にされた恥ずかしさ…。
いや、それより何より、陛下に失望された悲しさで胸が張り裂けそうだった。