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~花の玉手匣~
第5章  蒼い牙に抱かれて

「小龍」

愛する声に名前を呼ばれ、目頭が熱くなる。

「予の小龍は、浅ましい妬心など似合わぬ素直で健気な、心根の美しい愛(う)いやつのはずだ」

「…………ごめんなさい」

ぼくは洟をすすった。

「泣くのはまだだ」

陛下は鞭の先端をピシリと鳴らした。

「おまえを蝕む嫉妬の虫を叩き出してやる。来い。お仕置きだ」



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