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~花の玉手匣~
第5章 蒼い牙に抱かれて
陛下はぼくに歩み寄りぼくの前後を一周りすると、ぼくを背後から抱きしめた。
「もう二度と、浅ましい焼きもちなどに身を落とすな。おまえの醜い姿なぞ、予は見たくない」
耳許で囁かれ、その官能的な息づかいを首筋に感じながらぼくは頷いた。
陛下が腕を伸ばし、ぼくの性器を慰める。
「んぁ…そこは……」
あまりの気持ちよさに、ぼくは善がるのを抑えられなかった。
このときぼくは、いったいどんな表情をしていたのだろう。
振り仰ぐと、陛下は慈愛に満ちた菩薩のような微笑でぼくを見守っていた。
やがて、恍惚に崩れ落ちそうになるぼくを抱きかかえ陛下は寝台へ足を向けた。