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~花の玉手匣~
第5章 蒼い牙に抱かれて
ぼくは思いっきり甘えたくて、上目遣いで訴えた。
「お尻が…痛いです」
「だろうな。百は打った」
陛下は涼しい目をして頷いた。
「あの薬を、塗ってほしいです…」
いつも陛下がぼくの荒れた手肌や傷に使ってくれる膏薬。あれを塗れば、お尻の苦痛も和らぐ気がした。
けれど「それはだめだ」と、あっさり却下されてしまった。
「尻が痛むのは自業自得だろう。それでもだいぶ手加減したのだぞ」
どこらへんに加減があったというのだろう。
ぼくは頬をふくらませた。
その頬を指でつつき、「可愛いやつめ」と陛下は笑った。