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~花の玉手匣~
第1章  皇子の名

無論これだけで有頂天になるつもりはない。

たぶんこれからも、乗り越えねばならない障壁が次から次へと立ちはだかるだろう。

ひとつ安心できたと思ったら、別の不安に苛まれる…。きっとその繰り返しだ。

それでも――

今は、この静かで平安な幸せをかみしめていたい。

玉蘭は、未来の皇帝の額に「ちゅっ」と口づけを落とした。




      了



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