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~花の玉手匣~
第2章 星降る夜のわがまま姫
星詠(ホシヨミ)姫の伝説――
天帝の末姫は父の命令で天の川の星たちに名を付ける仕事をしていました。
ある日、対岸で川守りをしていた青年と恋に落ちてしまいます。
しかし彼との逢瀬を重ねるうち仕事がおろそかになり、ついには父の怒りを買うまでになるのです。
天帝は娘への罰として川を増水させ、対岸へ渡れぬようにしてしまいました……
姫は悲嘆に暮れ、それを憐れに思った地の民は、1つまた1つと、ほのかに光輝く灯籠を天の川に流しました。
やがて灯籠の数は数千にも数万にも及び、三年後には天の川にかかる光の橋となったのです。
その橋を渡り、姫は再び愛する彼と抱き合うことができたのでした――