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~花の玉手匣~
第1章  皇子の名

「本日も、皇子さまはお強くお健やかに召し上がられました。琳夫人さま」

授乳を終えた女官は、玉蘭に皇子を差し渡すと恭しく報告し、壁際に退いた。

両腕に感じる、みどりごの重み。それだけで幸福感に満たされる。

ふいに、じっと母親の顔を見つめていた赤子が両頬をひくつかせた。

それは、まるで天使が微笑んでいるように玉蘭には思えた。



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